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150万と5万。TanStack Startの現在地

Next.jsTanStack StartCloudflare

TanStack Start推しの風潮が出てきました。 Next.js を中心に使っている人も、これから始める人も、判断に迷うところだと思います。

2026年8月現在の実数値で整理してみました。

先に結論

特に強い理由がないなら、Next.js のままで大丈夫です。すでに動いているものも、急いで変更する必要はありません。

ただし、どちらの場合も土台だけは外に持っておく。ここは今日からでもやる価値があります。

数字で見る現在地

Next.js TanStack Start
npm 週間ダウンロード 約150万 約5万
React開発者の採用率 主流 15%(興味ありは50%・2026年2月調査)
React Server Components 対応 v1.0時点で非対応

2025年に v1 RC へ到達しているので、本番で使えるラインには来ています。伸びているのと、主流になったのは別の話です。

良いものであることは間違いない

型安全性は本物です。ルーティングから Server Functions まで、端から端まで型推論が効きます。jQuery の作者である John Resig 氏が実プロジェクトで採用し、「Server Functions が tRPC / GraphQL / REST の必要性を完全に置き換える」と評価しています。

速度も出ます。実測で 427 req/s から 2,357 req/s へ、平均レイテンシは 424ms から 43ms まで改善したという報告があります。

Next.js への不満として挙がる4つ

推す文脈で語られる不満は、だいたいこの4つに集約されます。

この4つは、誰の悩みか

読み返すと分かりますが、すべて「すでに動いているものを運用している人」の悩みです。

そして、その人たちにとっての移行コストは軽くありません。TanStack Start は v1.0 時点で RSC 非対応なので、Server Components を前提に組んでいるなら、移行というより作り直しに近くなります。型安全性も速度も本物ですが、それと引き換えに払うものは大きい。

逆に言えば、まだそこを踏んでいないなら、優先順位は別のところにあります。

情報量が、そのままAIの精度になる

地味ですが、ここが一番効きます。

AI にコードを書かせる前提で開発するなら、情報が少ない技術は、AI も同じところで詰まります。AI は世に出ている情報から学んでいるので、記事も実装例も少ない技術では答えの精度が落ちる。30倍のダウンロード差は、そのまま「詰まったときに助けが来るかどうか」の差になります。

AI に任せて速く進む前提が崩れると、体感の生産性はかなり落ちます。

デプロイ先の自由度と、Cloudflare

TanStack Start の一番の強みは、型安全性よりむしろこちらかもしれません。Vite ベースなので、Cloudflare Workers、Netlify、Vercel、Node.js / Bun、Docker と、どこにでも置けます。Next.js が Vercel に最適化されているのと対照的です。

その「どこにでも」の筆頭が Cloudflare で、実際いま勢いがあります。帯域課金がゼロで、$5/月に1000万リクエストが含まれる。規模が出るほど差が開きます。MCP サーバーも Worker だけで動くようになった(2026-07-28 仕様への対応で、状態を持つインフラが不要になった)ので、AIエージェント周りを組むなら相性がいい。

ただし、Next.js から Cloudflare へ出る道も用意されてきています。Cloudflare 自身が vinext を公開していますし、OpenNext の Cloudflare アダプタもある。以前ほど閉鎖的ではないのも事実です。

動きやすさを決めるのは、ホスティングではない

実際に動けるかどうかを決めているのは、ホスティングよりドメインとデータの方だと思っています。

置き場所を変えられても、データが特定のサービスに縛られていたら結局動けない。逆に、ドメインとデータを自分で持っていれば、フレームワークごと替えられます。

この3つを守っておけば、数年後に本当に主流が入れ替わったとき、その時点の情報量で判断し直せます。

結局どうするか

上の4つにピンとこないなら、今すぐ乗る必要はありません。すでに動いているものも、明確な目的がないなら無理に動かさなくていい。心当たりがあって、かつ作り直す体力があるなら検討する、くらいの温度でいいと思います。

新しい方が偉いわけではなく、自分のやるべきこととの相性によって、選ぶものが変わるだけです。大事なのは流行に乗るか乗らないかではなく、いつでも動ける状態でいることの方です。

出典